なぜ貸借は一致するの?

貸借対照表の借方(左側)と貸方(右側)の残高って、必ず一致しますよね。少しでも複式簿記を学習した方は理解していることなのですが、言われるがままに仕訳入力している新入社員の方や簿記を知らずにデイトレーダーやってる方は、意外と疑問にも思わないことなのかもしれませんね。

仕訳の基本(取引の8要素)

仕訳とは取引を各勘定科目ごとに記入していく作業ですが、すべての取引は次のような「借方要素」と「貸方要素」に区分されます。例えば100,000円の材料をツケ(買掛金)で調達してとするとと、仕訳は次のようになります。

材料 100,000 (資産の増加)/ 買掛金 100,000 (負債の増加)

また、製品500,000円を販売して50,000円は現金で回収できたけどあと450,000円は売掛金となった場合の仕訳は次のようになります。

現金 50,000 (資産の増加)/ 売上 500,000 (収益の増加)
売掛金 450,000 (資産の増加)/

以上の仕訳は例として記載しただけであり、金額はいま重要ではありません。理解していただきたいことは、仕訳は必ず「借方(かりかた)と貸方(かしかた)が対になって発生する」ということです。図式すると次のようなパターンで仕訳が発生します。

残高試算表=B/S+P/L

日々の売上や経費の動きをひとつひとつ仕訳入力していくと、1か月後(或いは1年後)には左のような「残高試算表」が出来上がります。各勘定科目の仕訳を集約したものですから、この時点では当然貸借(左右)は一致しています。

残高試算表を上下に分割すると、上が貸借対照表、下が損益計算書になっている事が解るでしょうか。上下にバラしただけではズレていて「一致していない」ように思えるかもしれませんが、このズレた部分が「利益」を表していることになり、貸借対照表の左側と右側の残高は一致します。

まとめ

日々の仕訳入力により資産の増加・減少、負債の増加・減少、純資産の増加・減少、それに費用や収益の発生を計上していくことで、見事に「貸借対照表」と「損益計算書」が完成するのです。貸借対照表で表される「利益」は、損益計算書の「利益」と同じものなので、借方と貸方は一致するという訳です。

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